などとタイトルにつけるのは開き直りと言われるんですかね?しかし、幸いにして私は”のぞみ”のメンバーでもないしH2A 6号機のメンバーでもないし、JAXAの職員でもないから言わせてもらっても良いでしょう。新聞記者さん、あなた、一度も転けずに自転車に乗れる様になりましたか?
そもそも前回も書きましたが、宇宙機をひとくくりに考えないで頂きたい。宇宙機には、実用衛星、旧NASDAで言うところの実証試験衛星、旧ISASで言うところの工学試験衛星、理学試験衛星が有ります。これらは運用に関する考え方は全く違ってきます。そもそも”成功率”という言葉を使うことはナンセンス(何を持って成功とするかの定義によりますので)なんですが、ま、その当たりは今回は大目に見て(有るべき)成功率グラフなんかを書いたとすると、その期待値は
 実用衛星>>実証試験衛星>>>理学試験衛星≧工学試験衛星
だと思って貰って良いんじゃないかと思います。また、これらの宇宙機にかける予算は、
 実用衛星>>実証試験衛星>>>理学試験衛星=工学試験衛星
と言った感じでしょう。新しい技術や物を作り上げるときに、まずは低コストでちょっとずつ様々な試験をして、だんだんと目的を特化しつつコストもかけて高機能化していくでしょ?それと全く同じです。現在の宇宙機の技術というのは、地球周回軌道に関しては実用段階になりつつありますが、それ以遠ではまだまだ発展途上の技術だと考えてください。その為、”のぞみ”は火星探査機と呼ばれていますが、そこに到達するまでのクルージングフェーズで、様々な計測や試験を行っており、その計測データや培われたノウハウはしっかりと生きて次の計画に生かされています。そしてそれも、理学試験衛星・工学試験衛星・実証試験衛星の大きな役割でもあるのです。
アメリカが月を目指したその昔、月軌道をそれて惑星間軌道に飛んでいってしまった探査機もありますが、そういう失敗はフィードバックされ、アポロの成功を導いたんじゃないですか?技術開発というのは、そう言う物です。冒険的なミッション、実用的なミッション、それらの予算配分を考え、上手く組み合わせて、より高みへと目指すことが必要です。それがフロンティア開発だと、私は思います。

<今日の御挨拶>

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<今日の御挨拶>” への8件のフィードバック

  1. 的確なレス、ありがとうございます。
    なるほど、メインエンジンの方でしたか。
    「的川先生の以前のコメント」は、「のぞみの最新情報」下から三番目「新しい軌道を運動し始めた〜」の回答の元記事を指されていると思いますが、こちらには「姿勢制御に使う燃料」と書かれていたので姿勢制御用のスラスターが動かないと思いこんでいました。
    # 元記事が見つからない… ISASニュースのどこかにあったと思うんだけど…
    以前、のぞみが使っている燃料について調べてみようと思ったことがありました。そのときは、メインエンジンが2液系であること、「姿勢制御エンジン」の燃料まではわかりましたが、メインエンジンの燃料が何かがわかりませんでした。
    メインエンジンと姿勢制御エンジンを取り違えていたようです。
    そうすると姿勢制御エンジンの燃料が何かが気になります。
    どんなものを使っているんでしょうか。
    低温でも使えることから、2種類の燃料ペレットを接触させる方式ではないかと短絡的に考えていますが。

  2. ばたばたしていて遅くなってすみません;
    私は理学の人間なので、探査機のセンサー類以外は実はよくわかっていません。のぞみについてはメンバーでもないので設計書も持っていません。
    はやぶさにかんしては、メインエンジンは電気推進、姿勢制御用の化学推進系(スラスター)はヒドラ人を使った2液推進系のようですが、、、それ以上は何とも;

  3.  初めまして。いつも楽しみにさせていただいております。また、サイトのネタ探しにも利用させていただいています(^^)
     のぞみの現状に関しましては、ISAS(笑)のサイトで正式な告知が出ています。
     http://www.isas.jaxa.jp/j/snews/2003/1203.shtml
     
     それによりますと、本当のタイムリミットは九日。二日は理想的なものに過ぎないようです。サイトにも一日単位くらいで情況が載っているようですし、絶望と断定してしまうにははやすぎると思うのですが。
     
     それと、五日の視点・論点に笹本祐一さんが出演されるのは御存知かと思いますが、昨日視聴した所によりますと、どうやら今週は宇宙特集のようです。そのトリを飾るのが笹本さんということのようで…(^^;

  4. お忙しいところ不躾なことをお聞きしてしまい、申し訳ありません。
    また、”はやぶさ”についての情報、ありがとうございます。
    “のぞみ”の次は”はやぶさ”について調べてみようと思っていましたので助かりました。
    しかし、ヒドラジンはいろいろなスケールのスラスターに使えるんですね。
    それだけ構造が単純で使い勝手のいい推進系ということでしょうか。
    これも調べものリストに入れておきたいと思います。

  5. お初にお目にかかります。私もこの日記を楽しみにさせていただいているひとりです。
    毎日新聞の記事は「あながち間違いではないけど、拡大解釈」と読んでいました。
    “火星探査機”と銘打って火星周回軌道に投入できないから失敗、という論調はわからないでもないからですが。
    しかし、これまでの経緯と実績を考慮しないでただ一言「失敗」と書く姿勢はどうかと思いました。せめて実績の一つくらいは書いて、それについて検証してからにしてくれよ、と。
    それ考えたら、失敗と切り捨てることはできないだろう、と。
    タイムリミットまであと5日。見事復活し、各紙で「奇跡の逆転成功」の文字が躍ることを切に願います。
    # やたら「失敗」の文字があふれてるのが癪に障るだけ

  6. >狩田様
    そうですか。視点・論点は把握しておりませんでした。5日は移動日でバタバタしておりますが、見れると良いのですが。。。
    狩田さんの少年少女科学倶楽部も、先日逆リンクで拝見させて頂きました。これからもよろしくお願い致します。
    >guicheng様
    初めまして。これからもどんどん投稿してください。
    はい、私も毎日の記事は、まぁまだましなほう、と実は思っています。昨日、ニュースステーションでのぞみの特集をやっていましたが、それは過不足無く、これまでの努力も評価しつつ、ついに力尽きるのか?というニュアンスで、実に現状を良く表した、良いニュースでした。
    しかし、正直なところコメントを入れるのは私も躊躇するんですよね。何か言うと言いすぎになるし、言い足りなさすぎになるし、結局何も言わないで黙っている、と言うのが良いのか?と思ったり。しかしそれでは誰の”のぞみ”なのかわかんないです。私のストレスは、マスコミにもJAXAにも両方向いているのですが、なんとか良い方向に進めたいと手探りなのが現状です。It’s not your business. と言われてしまうような風土にはなって欲しくないのですが。。。

  7. >秋山さん
    確かに、過不足のないコメントというものは非常に難しいと思います。しかし、黙っているのは問題を先送りにするだけで解決にはならないかと。
    何か発信すれば少なくとも議論の対象になる可能性はありますが、注目されているものの場合、黙っていてはいらぬ詮索を受けるだけではないでしょうか。
    “野尻ボード”で野尻さんもおっしゃっていますが、”のぞみ”については公式情報があまりにも少なかったことが今回の報道の原因だと思います。
    # 動かないのはメインエンジンなのか姿勢制御エンジンなのか、未だに確信が持てない…
    そして上記は、日本の宇宙開発全般にも言えることではないかと感じています。
    H2A6号機の件ではJAXAの対応の早さに満足していますが、あらゆるミッションでもっと広報をしていただきたいと思います。

  8. そうですね。正式発表を早く正確に的確に行う様には要望をしていますが、なかなか難しいです。
    ”のぞみ”に関しては、電気系統が1カ所、トラブルに見舞われていて、その結果として通信系がダメージを受けています。また、メインエンジンの余熱が出来ていないので、燃料が凍っちゃってます。また、探査機の状態を知るためのテレメトリーも受けれず、ビーコンだけを頼りに内部を調べている状態です。このあたりは的川先生の以前のコメントでも読みとれるかと思います。その為、メインエンジンは噴けません。また、もっと小さいスラスターを噴くことは可能ですが、これによって得られるΔVでは火星軌道に載せるために必要な量を稼げません。その為、軌道変更は出来ても火星周回軌道には乗せられない、と言うことです。

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