私はやっていないがtwitter上でもこの件は話題に上りだしているらしい。ただし、「つぶやき」で議論を継続するのはなかなか困難(と考える僕はもはや旧世代なのかっ!)かとも思うので、どこかでまとまった議論が出来ると良いのですが。
議論の参考になればよいと思い、以下を掲載。

探査比較

上記は政治向けに書いた資料なのでサイエンスの説明が欠落している。また分かり易くするために、「外惑星に行く途中に小天体の撮影だけしました」とかいうのは微妙に省いていたりするが御容赦を。
サイエンスの部分として加えるとすれば、

  • 「我々がどこから来たか?」すなわち太陽系起源論に迫りたければ、やはり「生」の小天体、すなわち太陽系が出来る前の物質がほとんど変質しないで残っている小天体が望ましい。「はやぶさ2」が目指そうとしているのはこの手の天体。
  • 地球を含む個体惑星系の進化を知ろうと思うと、月や火星・水星・金星の地面の調査は重要。
  • 固体惑星の(陸圏・水圏・気圏から成る惑星圏全体としての)進化を考える上では、金星や火星といった有大気天体を調べることは重要。地球環境への大きな知識となりえる。
  • 外惑星の衛星であるエウロパやカリストなど氷天体は、内部に液体の海を持つ可能性がある。またタイタンもメタンの海洋を形成している可能性が大きい。これらの天体の調査も、地球環境を考える上で大きな参考となる。また生命の観点からも、エウロパ・カリスト・ガニメデ等は我々同タイプの、タイタンでは我々と異なるタイプの生き物が見つかり、大きな知見を与えてくれるかも知れない。(ちなみに僕の最初の査読論文がエウロパで想定される生命形態とその探査手法に関する物である事を知ってる人はもう少ないだろうな。。。
  • 生命という観点では、火星そして金星もまだまだ調査すべき。
  • 等々、色々と上げられるだろう。
    ちなみにこの中で、現在、日本が取り組もうとしているのは、先日打ち上げられた「あかつき」による金星探査、そして計画として考えられているのが「かぐや」後継機としての月着陸探査機(ローバー含む)・火星の大気探査機(飛行機タイプ?)・「はやぶさ」後継機としての「はやぶさ2」などである。また先日打ち上げられたイカロスは、違ったタイプの小天体・外惑星探査計画を作り出せる可能性がある。
    これらの「計画がある」探査計画は、すなわちそれなりの規模と真面目さ?で「取り組もう」と思っている研究者・工学者が既に存在する、という点が大きい。
    ちなみに月を探査して水資源があるか無いかを調べて云々という話しも出てきたりするが、月に水があることがサイエンス的に大きな意味を持つかといえば、そりゃ多少はあるが、一大センセーショナルな発見、ということもないだろう。工学的には意味があるだろうが、それは「将来の宇宙空間での実利用」という構想があって初めて意味がある。その点、小天体のいわゆる「水」は、太陽系以前の物質存在も予見されるため、サイエンス的な意味合いも非常に大きい。また実利用的観点から、宇宙空間で「水」を使うとして、小天体からそれら物質を持ってくることと月から運ぶことのメリット・デメリットはまだ十分には比較検討されていない。その段階でそこまで見据えた議論をするのはあまりに時期尚早だと僕はおもう。
    また上記はあくまでも「惑星探査」に限った話しである。その他にも「天文」や「太陽」などの探査も非常に重要であり、実は我が国ではこれらの探査の方が歴史が古く、またしっかりとしたデータを出していて世界的にも評価が高かったりする。
    必要なのは「惑星探査」部分での優先順位付けもさることながら、これらの他の分野の「探査」とも比較して検討することが重要だ。本来であればそれらの議論がサイエンスコミュニティーでしっかりとされるべき所だが、其所の部分がぶれ出すと色々と騒動が起こる。というのが現在の状況かと思う。

    探査計画の比較

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    探査計画の比較” への1件のフィードバック

    1. RSSを登録しようとしてもNotFoundになります。
      ライブブックマークにここのブログを登録して読みたいのですが。

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