NASA、カプセルの空中捕獲に失敗" data-hatena-bookmark-layout="simple-balloon" title="このエントリーをはてなブックマークに追加"> このエントリーをはてなブックマークに追加

(秋山の個人的な感想)多分これが今一番メジャーなんだろうなぁ、宇宙系のニュースでは(笑) ネットでも動画が公開されていますが、いやぁ、見事な落ちっぷりですな、こりゃ、うん。こちらで指摘されてしまいましたが、ジェネシスはエアロジェルは積んでなかったんですね。まぁちと解説をしますと、宇宙空間で微少な塵が高速で飛び回ってるんですな。高速って、ホント秒速数kmとか、下手すると鉄砲の球より速い塵を想像してください。これを捕まえるにはどうするか?相手の塵は崩れやすいし、衝突の瞬間に熱とかが発生するとそれで溶けちゃったりもします。そこで、まぁ様々な物質にぶつけて止めるわけです。エアロジェルはそう言うのには最適?な物質です。ジェネシスはエアロジェルじゃなくてシリコンとか金属とかのプレートだったようです。いずれにせよ、なんか表面にポンとおかれて居るんじゃなくて、表面にくっついていたり、あるいは中にめり込んでいると思われます。なので、今回のような状態でも回収されればいくつかのサンプルは無事でしょう。ただし、問題なのはコンタミ、地球に落ちてからの汚染の問題です。例えば、私は最近本職では炭を焼いておりますが(笑)、炭はアルゴンガス中で焼きます。炭化温度が上がるとどんどんと全体重量は小さくなります。この炭に金属を含浸させて焼いて見ると、確かに全体重量が小さくなるのですが、外に出して置いておくと、あらら。重量があっという間に重くなっちゃいます。何故か?還元された金属に、空気中の酸素が速やかに反応して酸化金属になっちゃうんですね。宇宙空間も酸素が無い状態なので、地上に帰ってきたとたんにそう言った酸化反応が起こってしまっている可能性も多々あります。まぁこれは一例ですが、そういう事が起こってしまっているかもなぁ。。。いずれにせよ、我々日本も2007年には”はやぶさ”がパラシュートでカプセルを回収するわけですから、人ごととは思えません、ホント。

後、サンプルの汚染も深刻ですが、”宇宙から未知のウィルスがっ!”という危険ももちろんあり得ます。今回のニュースを見て、この分野の専門家の一人である宇宙研の矢野さんのコメント第一声は、”4名の普通の服を着た(汚染管理をしていると思えない)回収班員”でした。この辺は宇宙検疫と言われる問題ですが、担当者は一応この辺にも十分気を遣って居るんですよ、ということで御紹介。ちなみにこういうニュースが流れると、”地上でクッションを用意して回収したら良かったのに云々といった”もっと良いアイデアがあるのに、バカな人達っ!”的なコメントが良くネットではあふれますが、いえいえ、冷静に考えてみた方がよいです。実はそんな”良いアイデア”の方がばかげていることが多々ありますので。ネットだと羞恥心が無くなるようですが、ネットでも十分に恥ずかしいですから気をつけましょうね。

ところで今回のニュースですが、他の国内主要2紙ではこんな扱いです。朝日新聞毎日新聞。この段階でジェネシスの総予算に関して触れているのは毎日新聞のみ。ちなみに共同通信(これこれ)・時事通信ロイターといった通信社系の記事では、費用の問題にはいっさい触れられていない。まぁ、速報系の通信社だからなんでしょうが。あと、海外の例として適当かどうかは不明ですがCNNは予算に関しても述べております。毎度の事ながらこの手のニュースで一番詳しいのはやはりWIREDですけどね。さて、採点というわけじゃないですが、今回のニュースのポイントを整理してみましょう。

  • ジェネシスのカプセルが回収された
  • カプセルは予定と違いパラシュート/パラフォイルが開かず、砂漠に激突した
  • 中の回収カプセルの汚染状況は不明
  • 地上への汚染状況も不明
  • 今後の回収計画は検討中
  • NASAは72時間以内に事故調査委員会を招集
  • ジェネシスミッションの予算は2.6億ドル
  • ジェネシスミッションの概略と科学的に期待されていた成果

でしょうか?まだあるかな?この中でどの部分を取り出すかで、記事としての中立性を保っているようで、実は新聞社の意見が見えてきているんだと思われます。それが良いとか悪いとかは別にして、ですよ。で、我々としてはどーすればいいかですが、このような事例に鑑みつつ、次回以降に自分たちにこの問題が降りかかってきたときの対処を考えるんでしょうなぁ。上記ポイントを箇条書きにして記者発表で配るとかネットでもいち早く配信するとか。あとこないだの日記では一応成功することを仮定して書いてたけど、これで絶対日本ではこんなアクロバティックな事はやらないだろうなぁ。。。

追記 :あの、もう一つ。これは別に明記してなかったですが、私はこれを持ってジェネシスが失敗した、という認識には反対です。良くやりますけどね、マスコミは。これで全てがパーだと。ただ、私はいつもそのことを書くので、今回はしつこいかと思って辞めていたのですが、惑星学会のメーリングリストでUCLAで学ばれている国広さんが以下のようなコメントが投稿されていましたので、やはり明記することにいたします。サンプル回収が規定通りに行かなかったから失敗なんて、早計な事は言わないでくださいね。以下、国広さんの御許可を戴いて引用です。

自分はUCLAでGENESISサンプル分析のための装置を開発
しています。さすがに昨日,砂漠に突っ込んだ時には夢であっ
てほしいと思いました。しかし一晩あけまして,ミッションは終わ
っても失敗してもいないということに気がつきました。サイエン
スがはじまるのはこれからです。圦本先生の教えのひとつ「難
しければ難しいほどやりがいがある」を思い出しました。現にい
くつかの破片は分析するに十分な大きさに見えます。

ノーリスクではノーリターンです。緊張感にあふれたところから
でなくては学べない事がたくさんあります。ミッションには失敗
がつきものであるにしても,若手としては,今後日本のミッション
に参加して多くのことを学ばせていただきたいと思っています。

総括しますと,(1)GENESISを失敗と認識しないでください。や
る気に満ちておりますので心配無用です。それからミッションに
関わってる若手の皆様(2)前だけをみて,はりきっていきましょう

NASA、カプセルの空中捕獲に失敗

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