始めに、今回の地震・津波、そして原発事故により多くの方々が亡くなり、負傷され、家を失い、あるいは退避生活を余儀なくされていることに、哀悼の意を表します。
私に関係の深い秋田の方々は震災後の停電とその後の物流の滞りに悩まされていると聞いております。また激烈な原発事故においては、大切な友人が現地で一人、東京で一人、苛酷な環境下で働いています。彼等を含めた多くの皆様の復興への御尽力には、ただただ頭が下がる思いです。
被災地を遠く離れた和歌山の地で何が出来るのか?をずっと考えてきました。2003年に「このままでは日本は立ちゆかなくなる」との思いから、固体惑星の研究から教育・人材育成に大きく舵を切り、2008年からは政策論議にも飛び込んでいきました。まさにこの大災厄の中でこそ、暖め育ててきた日本の再建策を実現すべきだと、強く考えています。
今回の大災厄後、うちのスタッフに「こういう場合の一番のリスクマネジメントってなんですかね?」と聞かれました。私はそれは、「危機に対応できる人」しかないと思っています。状況は刻一刻変わり、その場で一番情報を持っている人間として、決断が求められます。現状を直視できる人。様々な情報から状況を推測できる人。そして自己の責任において、決断が出来る人。周りに支持され、それによって状況を変えることが出来る人。それがまさに、我々が育てようとしている「任せられる人材」です。
原発問題で本社に乗り込んで行ってる友人には、応援に、我々が学舎で幼少の頃から教わってきたあるフレーズを送りました。
「よく見る目、よく聞く耳、よく考える頭」

これがまず、第一条件です。その上で決断をする、判断をする。社会を動かす。激動の現場で、そのように振る舞える人間を一人でも増やすこと。これが人々を災厄から救い出す、唯一の道だと僕は信じます。

このような災厄の時にこそ、宇宙アセットが活躍すべきであり、情報を共有させ、意思疎通を可能とし、復興を助けるツールと成るべきです。今回、早い段階で情報収集衛星・JAXAの管理衛星は被災地の情報を集め、首相官邸にデータを送りました。またインターネット中継衛星も被災地との情報リンクのために活用されました。これらの事業を推進された皆様に、深く敬意を表します。
しかし同時に、こうも思います。もし、日本の宇宙開発がR&Dに留まっていなかったら?より国民と密接に結びついたインフラとして発展していたら?我々は40年の長きにわたり宇宙開発を推進してきましたが、まだそれは国民生活と一体感を持ち得る存在にはなり得ていません。もちろんそれは、その方向に発展させたのではなく、まずはR&Dが目的と為された事が一番の理由です。そろそろ大きな方向転換が必要であることは多くの人が認識しており、それが為に宇宙基本法が制定されたわけです。これを転機として大きく方向転換をすべき所を、2年も3年も足踏みをしてしまった。これは政策側の誤りでした。

言うまでもなく、大災厄は続いています。しかし今、現場に居ない身として、僕に出来ることを一つ一つ、進めて行きたいと思います。すなわちこのような大災厄に立ち向かえる「任せられる人材」を育成すること。そして国民生活の安全と繁栄に一体となった宇宙開発を促進するために、政策を立案・実施する事。
さぁ、再建を始めましょう。大災厄に関する深い反省の元に、再びそれを繰り返すことがないように、新しい精神と方法を使い、これまでとはまた違う、日本の再建を始めましょう。
我々の進むべき先が、照らされて在ることを、心より願います。

・再建を始めよう

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・再建を始めよう” への1件のフィードバック

  1. ご無沙汰してます、お元気ですか。
    今回の震災はこれまでのものとは桁違いの、日本の社会そのもののあり方を考えなければならない、大規模な復興が必要だと思います。そして、原子力発電をどうするのかも。
    akiakiさんが前に言っていた、「自分のセクションには関係のない話しだから、下手に首を突っ込まないようにしようっと」という人間ばかりが集まって、原子力と言うものは進められてきたんだ、ということが、連日、白日の下にさらされています。東海村の臨界事故でakiakiさんが感じたヤバい雰囲気が、そのまま大規模になって行ってたんですね。
    今こそ、当事者意識のある人材、本物のプロを育てて行かなければ、日本はもうダメかもしれない。(自分も含めて、当事者意識と言うものがどこまで持てているのか、反省させられています)それが、宇宙を目指す現場から始まるのであれば、宇宙開発を進めることは、日本の復興そのものである、と言うことが言えるのではないでしょうか。

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