さて、松浦さんがtwitterで「ダメだよ、宇宙開発戦略本部のサイトで宣伝しなきゃ」とつぶやいていたらしいタスクフォース会合ですが、5/13に100余名を集めて開催しました。松浦さんのつぶやきにお返事すると、いや、それは無理なんですよ。なぜなら昨年とは違って、今年はもっとアンオフィシャルな会合なんですから。せいぜい、ここのblogで宣伝するのと、記者クラブに案内を出すのが精一杯でした。

さて、タスクフォース会合は『コミニュティーの意見を集約し、宇宙開発戦略本部の宇宙開発利用に関する政策に反映するため、関係府省や産学の』関係者が集まって開催されました。
第一回目となった昨年度は、新成長戦略に係わる議論を同様のタスクフォース会合により実施し、当時の宇宙関連有識者会議の議論に反映させることが出来ました。
第二回目の今年度は、現在進められている専門調査会での議論の参考となることを目指して開催しました。当日は数名の専門調査会の委員の方々にも御参加いただき、議論を傍聴いただくことができました。
御参加いただいた皆様、急な呼びかけにもかかわらずご参集いただきまして、どうもありがとうございました。

会合ではまず、呼びかけ人の中須賀・秋山より以下の開催趣旨説明を行いました。

  • 本タスクフォース会合はアンオフィシャルな会合であること
  • 宇宙関連の実施当事者が集まり、現在急速に進められている、我が国の新しい宇宙開発体制に関して、求められるファンクションと体制のあり方に関して議論を行うこと
  • 議論はこれまでの検討結果(宇宙基本法 / 体制検討WG中間報告 / 戦略本部決定)を踏まえて行うこと
  • 会合には専門調査会の委員の方々にも御参加いただき、今後の調査会での議論の参考として戴く事を目的とすること
  • その後、様々な議論が展開されましたが、最終的に以下の点に関して、コミュニティーとして強く要望を上げていくことが確認されました。

    1)強力なヘッドクオーターの設置
    広い分野にわたり様々な影響を与える宇宙開発の分野では、国家戦略に基づき、他省庁と協力し、ニーズを引き出し、動かす(官業にツールとして宇宙を利用していく)ことが出来るヘッドクオーターが必須である。
    また国家として正しい調査・分析に基づき、「実現可能かつサステイナブル」な宇宙開発シナリオの策定、及び戦略的な宇宙外交(海外市場を取らずして利用の拡大は不可能)の推進が必要である。

    2)利用を定着させる体制作り
    宇宙の「利用」は社会インフラとしての側面に留まらず、科学や探査、外交などソフトパワーのような多様な側面を持つことに関して理解を深める事が必要である。
    「利用」には新しく整備されるもの・維持される物がある。
    またR&Dと実利用は対立概念ではなく、共に必要な分野である。
    国内外の利用創出および戦略的な宇宙外交の実施のためのツールとして、キャパシティービルディング手法は極めて重要である。

    3)上記が1)2)が可及的速やかに実現されること
    宇宙基本法の制定からはや3年、昨年のタスクフォース会合から早1年が経過している。進むべき方向性や理念に関しては、コミュニティーの意見はほぼコンセンサスが形成されつつある。何よりも可及的速やかな実現が望まれる。

    最後のまとめの部分、特に2)に関しては様々な表現があり、この短文では充分にまとめ切れていない側面もありますが、御了承ください。>参加者の皆様

    今回の会合では1)、とりわけ3)に関して強い要望があることが明らかになったと思います。この点は非常に重要であると考えます。
    また同時に、2度のタスクフォース会合により、産官学のコミュニティー参加メンバーにより、今後の方針に関してコンセンサスが形成されつつある・議論の場が出来つつあることが、もっとも大きな成果であると考えます。
    1)でも示されているように、宇宙開発は実に多くの分野を巻き込んで進めていく必要があります。その為には、我々産官学のコミュニティーが闊達な意思疎通を行い、コンセンサスを形成することが非常に重要となります。
    体制検討WGの中間報告では、『コミニュティーの意見を集約し、宇宙開発戦略本部の宇宙開発利用に関する政策に反映するため、関係府省や産学の有識者で構成される「宇宙開発利用推進連絡会議(仮称)」を開催することが適当である』とされています。タスクフォース会合がこのプロトタイプとして継承されることを強く希望します。

    先の3.11震災では漫然と事態を放置することが「安全ぼけ」を産み、様々な災害や被害を生み出してしまいました。この点を多くの人々が感じ、今現在も「自分がやるべき範囲において、自分が出来る事をしっかりとやろう」と考えることが、日本の再興に必要不可欠な考え方だと思います。
    3)で示されているのはまさに、宇宙分野においても事態の放置が取り返しの付かない結果を産むという、コミュニティー全体の危機感の表れであると考えます。
    共に日本の宇宙開発を支えるメンバーとして、このような強い責任感と使命感を共有できたからこそ、急な呼びかけにもかかわらず多くの御参加を戴く事が出来たのだと考えております。

    会合では最後に、専門調査会の委員の一人である松井先生から「すみやかな実施を目指す」とのコメントを戴きました。我々としても今後引き続き事態の推移を見守り、アクションが必要なときには躊躇せず、必要な行動を取っていきたいと考えています。

    最後の記者会見で「何故、宇宙基本法の制定後、話しが進まなかったのか?その部分に関しては議論がなかったのか?」との質問が出ました。
    まぁ議論がなかったかと言えば議論はなかったんですけどね。というか、それは議論の必要もなかったことなんだと思います。
    もちろんこの前半部分は、今回の会合に参加したメンバー一同も想いを等しくする物だと思います。しかしほとんどのメンバーは行政の専門家ではなく、我々としては必要なファンクションを明らかにし、それを粘り強く絶えることなく声を上げていく必要があるというのが、議論するまでもなく、みんなが思っていたことなんだと思います。だからこそ、急な呼びかけにもかかわらず、これだけの人数が参加したのでしょう。旅費も何も出していないにもかかわらず、日本中からこれだけ多くの人が参加したというのは実に驚くべき事です。
    民主主義とはとても時間がかかる手続きを必要としますが、何よりも重要なのは、言うべき人が言うべき事を、不断の努力を持って実施し続ける事なんだと思います。
    自由とは与えられる物ではない、不断の努力で勝ち取る物だ、というのは、民主主義の根本思想でもあります。
    昨年と今年の2回のタスクフォース会合を通じて、惑星間空間にまで独自の飛翔体でチャレンジした国家の子孫として、今なお多くの人達がこの不断の努力を怠っていない。未来に向けて我々の財産を届ける意志がある。そんなことを強く感じた会合でした。
    我が国は未だ、危機的な状況にあります。しかし今回、それでも我々は進んでいくんだ、という想いを共に出来る多くの仲間もまた健在である、育ちつつあることを、強く感じることが出来ました。

    『光あるうちに光の中を進め』

    一歩一歩、進んでいきましょう。人類の未来のために。

    ・タスクフォース会合 報告

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