どうも松浦さんがストリームで発言されているようなのだけれども、一部大きな誤りがあるので記述。
細かいところは僕との認識の違いというのもあるだろうけど、問題はこの辺から。上記のリンクは文章に起こして貰った物だけど、そのなかで中盤ぐらいの「ところが。。。」のところから。

「ところが。。。」:ここでは政治判断として「はやぶさ2にノーと言った」となっているがそれは違うと思います。
政治側には各省庁から「この順番で優先順位を付けて日本再生特別処置枠予算を申請します」と出てきていて、その細目までは全部議論する時間は無いと思います。なので、予算総額も考えながら、「じゃ、各省庁の1番目だけとか場合によっては2番目も・・・」というような判断をしたんだと思います。
もちろん、ここで政治側が「なんでこれが低いんだ」とひっくり返すことは理論的には可能ですが、それにはもっと詳細な根拠主張が必要で、実際はかなり難しいと思われます。
「ここでジャーナリズム的視点を導入する」:ここが決定的に間違っています。むしろ、政治側に誰も話しを入れなかったのです。入れなかったから政治側からも官僚が示した根拠をひっくり返すだけの意見が出なかったのだと思います。なのでその後の松井先生に関する勘ぐりは全く不適当だと思います。
「はやぶさ2は文科省にとって宇宙探査の既成事実となり得る」:ここもとことん変で、戦略本部・専門調査会とも、常に「従来の科学・探査・R&Dは重要」と言い続けており、其所を削減するというような話しはこれまで全然出ていません。
準天頂は内閣府枠で出ているし、まずこの予算ではやぶさ2を削る必要性はありません。
また長期的にもいわゆる「文科省的宇宙」の重要性は認めているので、そのフラッグシップであるはやぶさ2を落とす理由もありません。それではせっかく宇宙庁的な物が出来たときに、自分自身に海外に使える力・駒が無くなってしまいます。

んじゃなんで予算が通らないの?といわれたら、私の意見は「宇宙庁が出来ていない現在、各省庁の予算は各省庁が責任を持って押さない限り通らない」に尽きます。
すなわち、「はやぶさ2」の予算が通らないのは、それは専門調査会でも戦略本部でも経産省でもなく、文科省の努力不足、というか戦略ミスでしょう。はやぶさ2は人気があるから2番目にしていても通るだろう、という判断ミスです。日本の財政の逼迫度合いはその甘い認識を許さなかったと言うことでしょう。

はやぶさ2が地球観測網の構築より上位なら、まちがい無く通ったと思います。だってこの枠での予算はちゃんと文科省も地球観測網の予算を取ってるんですから。すなわち文科省は地球観測網構築がはやぶさ2よりプライオリティーが高いと判断しているのです。それを他の省庁がひっくり返す、専門調査会がひっくり返してはやぶさ2を通すなんていう権限は、今のところありません。

松浦さんの指摘は、「A大学で行われている施策が日本の学術施策に不適だとB大学が思ったら、A大学を差し置いてB大学が横やりを入れろ」と言っているのに等しいと思います。それはまさに「筋違い」でしょう。
じゃぁどうすればよいのか、といわれれば、それはやはり日本全体を見渡して、総理の強いリーダーシップの発揮できる、きちんと筋の通った予算編成が出来る、強い意志決定機関を作ることです。
各省庁の宇宙関連予算に関する勧告権を持った組織を作ることです。なので、そういう意味でも松浦さんの「私の現時点での結論」の、「これでは、宇宙庁を作っても、日本の状況は良くならないだろう」というのは間違っています。むしろ作ることにより、状況は改善されると考えます。

・はやぶさ2予算の件 その2

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・はやぶさ2予算の件 その2” への2件のフィードバック

  1. >けん様
    少なくとも文科省の要求として、だいち2の優先度をはやぶさ2より上にしているのは事実です。
    (そう聞いています)

  2. ご意見の前提となる事実関係に誤りがあります。
    「ここでは政治判断として『はやぶさ2にノーと言った』となっているがそれは違うと思います」、と書いておられますが、これは誤りです。閣議決定によれば、「『日本再生重点化措置』による予算配分の重点化や予算編成過程での重要課題の検討のため、予算編成に関する政府・与党会議を設置し、…予算の配分については、同会議の議論を受けて、最終的には総理が決定する。」とされています。「はやぶさ2」という名称は直接出てきませんが、要求さてれいることを前提として「他
    の事業の相当程度の圧縮が条件。」を決定したのは政治判断です。
    また、「準天頂は内閣府枠で出ているし、まずこの予算ではやぶさ2を削る必要性はありません」と書いておられます。優先順位の決定については、「『重点化措置』の配分分野ごとに、優先
    的・重点的に予算配分すべき項目を具体的に選定し、12月上旬までに政府・与党会議に対して最終報告を行う」(実務者会合に対する内閣総理大臣(議長)指示)とされていて、要求省庁の別は関係ありません。よって、これも誤りです。

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