昨日の私の投稿に対して、色々と御意見をありがとうございました。霞ヶ関の動きを変えることが出来たのかどうかはまだ良くわかりませんが、弛まず慌てず、一歩一歩これからも進んで行きたいと思います。
ところで今日、ニュースウィーク海外版の電話取材を受けながらふと思ったのですが、もしも「はやぶさ」計画が失敗だったとしたら、それは何だろう?と考えました。おそらくそれは、工学試験衛星として様々な問題を明らかにし、その克服方法をとことん検討した「はやぶさ」計画で培われた技術とノウハウが、もう十数年も前から入念に検討されてきた「はやぶさ2」に活かされなかった時じゃないか?と。
「はやぶさ」は工学試験衛星です。それはその後、その『工学技術』をきちんと使ってこそ意味があるミッションです、地球に帰ってきたことよりも、カプセルにサンプルが入っていることよりも何よりも、『工学試験』を通じて得られた技術・ノウハウをきちんと活用してこそ、初めてミッションは成功と言えるのではないか?そんな風に思います。

今年、8月31日に、40億なり50億なりの開発費が付かなかったとしたら、2014年・2015年のウィンドウで日本が小天体探査機を飛ばすことは不可能になります。日本が小天体探査機を飛ばせば、おそらくその影で失敗することを恐れてアメリカは小天体探査機を飛ばさないでしょう。しかし日本がやらなければ、アメリカが現時点で伝え聞いている日本の「はやぶさ」の技術・ノウハウを思う存分使って、失敗を恐れずに彼等は探査機を飛ばすでしょう。
人類の英知と言う意味ではそれは幸せな事ですが、しかし「諸国民の中で尊敬される日本」という国を考えた時、「はやぶさ2」を実施しないことは「はやぶさ」ミッションを失敗に追いやり国費の無駄を産み出す重大な誤りであり、また国民に対する大きな裏切りになると、私は思います。

我々は様々な立場で、この社会に係わっています。それぞれが今、それぞれの立場で、この問題に対してどのような対応が可能なのか、どのような真摯な態度を取ることが出来るのか、今一度、よく考えて、行動していこうじゃないですか。明日の世界のために。

もしも「はやぶさ」計画が失敗だったとしたら

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もしも「はやぶさ」計画が失敗だったとしたら” への12件のフィードバック

  1. 初めまして、松浦先生お疲れ様です。真剣に考え熱い想い持っている事に、心打たれます。優先されるは、はやぶさ2だと想います。秋山先生を支持しますので、がんばってください。

  2. このままたど、感動物語で幕引きされそうで、もどかしいです。継続運用し次へつなげる事が、国益、人材育成の点からも重要たと思ううのですが… 優先順位が低いとゆうなら、オープンかつ明確な理由を提示していただきたいです。(国民に対して)

  3. NASAがやりたいけど、技術的に出来ないのでやらなかった小惑星のサンプルリターンを、はやぶさプロジェクトは困難を乗り越えながらも出来ることを実証したわけですね。
    しかも、次はどうすれば確実なサンプルリターンが出来るかという技術情報も得られた。
    それをここで中断すれば、仰るように失敗と言えるのかも知れません。
    日本は貴重品を廃品に出して、NASAは思わぬ拾い物。
    もしも、日本の利益を優先すべき立場の人たちが、間接的にでも中断の働きかけをしているのなら、背任行為ではないでしょうか?
    中断すべき正当な理由があるのなら、怪文書メールではなくて、正式な公開文書の返答をお願いしたいものです。

  4. あはは。真面目な御提案だったんですね(笑)<松浦さんのところ
    多分、奥美和さんの言われていることは我々はしないけど、でもいわゆる「一般の人が知る」という事はそー言うことなんですよね。
    それはわかります。時々ここに来られる秋田放送の神谷さんが「エンターテイメントとしての宇宙開発」と言うことを言われていますが、
    http://app.f.m-cocolog.jp/t/typecast/1038198/1061937/50449815
    たぶん同じ部類のことなんだと思います。
    後ね、「これはナイス!」と思ったことは、まず御自身でやられるのが良いです。隗よりはじめよの精神はとても重要かと思います。
    ちなみに2006年の道川での宇宙教室には、私も午前だけ参加していました。

  5. 秋山様のフォローとご教授に感謝いたします。
    そして、僕の想いは秋山様が貼ってくださった秋田放送の神谷さんのURL「エンターテイメントとしての宇宙開発」の内容のとおりです。
    「はやぶさ」の着ぐるみを着て歌って踊るパフォーマンスを思いつくきっかけになったのは、
    2005年11月に「はやぶさ」がイトカワ着陸に成功したとき、
    「この年の紅白歌合戦は「はやぶさ」のイトカワ着陸を成功させた川口淳一郎教授がゲスト審査員の席に座るだろう? 川口教授がだめでも、クローズアップ現代で「はやぶさ」のイトカワ着陸を日本国民に浸透するようにわかりやすく解説してくれた松浦氏晋也氏が座って「はやぶさ」のイトカワ着陸成功を広く日本国民に浸透させてくれるだろう?」
    という僕の予想を裏切ってスペースシャトルのお客として建造中のISSへ行った名ばかりの宇宙飛行士がゲスト審査員の席に座ったことにショックを受け、
    「どんな偉業を成し遂げても広く日本国民に印象付けなければ支持を得られないのだ。」
    と思って数年後、中国が、月探査衛星「嫦娥」の成功を広く中国国民に浸透させるために行ったパフォーマンスを見て、
    「日本も「はやぶさ」の成功をネタにしたパフォーマンスをすれば広く日本国民に浸透させることができる。」
    と思ったからです。
    そして、松浦氏のブログの「のぞみとメイブン、はやぶさ2とオシリス-レックス」の記事の「はやぶさ2」を実現させようと必死になっている内容に共感してしまい、
    何とか「はやぶさ」を広く日本国民に浸透させて「はやぶさ2」実現の原動力にしたい
    という気持ちが抑えきれずにコメントしてしまいました。
    それだけに、松浦氏にお叱りを受けたときはとても落ち込みました。
    ただ、秋山様のおっしゃるとおり、「これはナイス!」と思ったことは、自分でやるべきでした。
    僕が『はやぶさ音頭』なる歌を作って、「はやぶさ」の着ぐるみを着て歌って踊るパフォーマンスをやったら、せいぜい幼稚園のお遊戯のような「はやぶさ」の着ぐるみをダンボールで作って町内の盆踊りで踊って笑いのネタにされるのが精一杯ですし、音楽のセンスがないのでイメージに近い曲を盗んで曲に合わせた詞しか作れませんけれど・・・<(^_^;←盗用御免!
    でも、隗よりはじめよの精神どおり、まずは自分ができることからやっていきたいと思います。
    長文になりましたがこれにて失礼いたします。

  6. はやぶさ計画は工学的には失敗だったのでは?
    満身創痍で帰還したことに国民は感動してくれていることは大変うれしい話ですが、工学実験衛星としては、あれだけ多数の問題を引き起こしたことは、巨額の経費を使用した実験衛星の設計としては失敗だったと言うべきかも知れない。失敗を回復する機会が絶対に無いカプセル分離以降は幸いにして順調に推移したため、カプセルは順調に回収できたが、それに至るまでを一言で言えば「失敗は成功の母である」の連続だったのではないだろうか?
    宇宙科学などの巨大科学で、「失敗は成功の・・・」をトライして良いのは準備段階で、実施段階では終わりよければ全て良しと言ってられないではないだろうか?

  7. はじめまして。はやぶさの『ニコイチ運用』から宇宙開発に興味を持った一般人です。
    宇宙開発の優先順位が、小惑星探査ではなく月探査であることに大きな衝撃を受けました。文部科学省に意見を送ったり、はやぶさ2の署名をしたりしてみましたが、効果は無いのでしょうか…
    でも身の回りには、宇宙開発に興味がある人がいないんですよ。今予約しているHBTTAのDVD上映会でもしようかしら?なんて考えていますが。
    >宇宙人さん
    どのような立場の方か良くわからないのですが、「国民は感動してくれていることは大変うれしい話ですが」とあるので近いところにいる方だと仮定してツッコミを(違ったらごめんなさい)。
    工学実験衛星として様々な失敗はありましたが、それがかえってこうすれば解決するというのを肌で理解できたという大きなアドバンテージとなったはずです。
    実験というのは工学分野に限ったことではありませんが、失敗もひとつの成果となりえます。失敗から何かをつかみ、大きな発見につながる事例は列挙に暇がありません(ノーベル賞の田中耕一さんや、ペニシリンの開発が有名ですね)。
    確かに宇宙開発の実施段階は大きな予算がかかることもあり、最初から終わりまで失敗の連続というのは問題ありだったかもしれませんが、何とか帰還に成功し、多くの得難い経験を持った今、放り出すのはむしろ無責任すぎる。一般人は「まさにこれこそ、税金の無駄」だと感じますよ。

  8. 宇宙人さんへ
    仰るように、はやぶさは失敗という評価も有って当然と思いますが、私は成功という評価に1票です。
    例えばイオンエンジンの場合で考えると、4基全部が故障したので失敗という考え方と、それでも帰還できたので成功という考え方があります。
    本来は、イカロスのソーラーセイルのように、イオンエンジン実証機を飛ばして、成功してからはやぶさに使う手順が正攻法だったと思います。
    しかし、はやぶさプロジェクトは、イオンエンジンが未完成でも、それを補う手段を用意するという手法を採用したように思われます。
    もしそうだとすると、イオンエンジンと、未完成を補う手段の合わせ技が見事に成功したと考えられないでしょうか?

  9. >市井の人さん
    失敗から何かをつかむことは大事ですが、その失敗代が300億でも許されますでしょうか?はやぶさ後継機の優先順位が低いのは、また失敗しかねない(今度は幸運に恵まれない?)からかも知れません。やるならちゃんと準備して、満身創痍の再現はしないようにすべきでしょう。
    >H-Unoさんへ
    200億、300億が普通の巨大科学で未完成品を主要機材として使う設計をするような技術者を許してくれるほど日本国民はおおらかなのでしょうか?まあ、普通は未完成品ですが200億ほど使わせて下さい・・・と提案したら、お味噌汁で顔を洗ってきたら?とどこかの党首でなくとも言われるのでは?

  10. 何故、文科省で「はやぶさの二番煎じでいいのか?」と言われているのか?(毎日新聞クローズアップ2010)も考えるべきでは?

  11. 税金を使ってこんな研究して金儲けになるのかという疑問もある。
    宇宙開発のような基礎技術は直接金儲けにはなりませんが、私たちが日本に生まれ育った事を誇りに思うようになります。
    って、すばる望遠鏡予算獲得の時に聴いた記憶がある。
    2位じゃダメなんですなぁ。。一番じゃないとね。
    モノを大切にする、最後まであきらめない生き方は日本人にこそふさわしい。
    戦後大きく成長してきた裏には、日本人が持つこのような基本の生き方にある。

  12. はじめまして。
    「はやぶさ」計画が失敗にならないために、「はやぶさ2」の開発費が8月31日に少なくとも40億円付くことを祈っております。
    そこで提案ですが、
    8月31日までに「はやぶさ2」の開発費を付けるために、『はやぶさ音頭』なる歌を作って、「はやぶさ」の着ぐるみ着て歌って踊るDVDかネットビデオを出して、今年の盆踊りに全国で「はやぶさ」音頭を踊らせてみてはいかがでしょうか?
    もしかしたら開発費が付くだけでなく、今年の紅白歌合戦への出場が決定して、ゲスト審査員として出場されるであろう、る不可能と誰もが思った「はやぶさ」の地球帰還とカプセル回収をやってのけた川口淳一郎先生の前で歌って踊ることができるかもしれませんよ?
    そうなったら、小惑星探査機「はやぶさ」のシリーズ化決定も夢でないと思いませんか?
    最後に秋山様、このコメントがふざけているとお思いになられたら削除してくださってかまいません。
    某ブログで同様のコメントをしたら削除されて「ふざけた書き込みをするな」的なお叱りを受けたもので・・・。
    追伸、僕としては川口先生の紅白歌合戦のゲスト審査員出場が無理ならば、的川先生を、的川先生が無理ならば、はるばるオーストラリアのウーメラから「はやぶさ」の本体とカプセルの大気圏突入のネット中継をしてくださった秋山様(先生といった方がよいのかな?)に紅白歌合戦のゲスト審査員で出場してほしいです。
    余談になりますが、的川先生といえば2006年の晩秋に秋田の道川のJAXAの研究者の講演会の開会の挨拶で、閉会の挨拶としか思えない内容の挨拶までして帰ってしまわれたことがとても印象に残っています。

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