H2A6号機の打上が失敗しました。打ち上げ途中に爆破ボタンが押され、太平洋上上空で衛星は燃え尽きたと考えられています。自分達が手塩をかけて作り上げた衛星、ロケットの爆破ボタンを押す決断をされた現場の皆さんの心中を考えると、言葉もありません。お悔やみ申し上げます。
”日本の”宇宙開発、と言うとき、それは誰の宇宙開発なんでしょうか?私は宇宙開発を進めることは、フロンティアを知り、そこに手を伸ばし到達すること、そしてその過程で我々自身をより深く知り、愛することだとずっと思っています。しかし一方で、宇宙はJAXAや日本のごく一部の大学や研究機関にとってだけアクセス可能なフロンティアであり、自分達の手の届くフロンティアじゃない、と思っている人達が多くいることも知っています。これはフロンティアに手を伸ばさない国民性と、これまで宇宙開発に携わってきた人達がつくり出した垣根の結果でもあると思うのです。そのフロンティアは、私たちみんなにフロンティアであることが、”日本の”宇宙開発は、我々日本人みんなの宇宙開発であることが、国民のコンセンサスとなると良いのですが。
”我々”は今回、失敗しました。失敗に至った理由は無数にあるでしょう。現場側の意見もあるし、それを取り巻く人達の意見もあるし、国民側の意見もあるでしょう。理不尽な意見も多数ありますが、それらを洗い流したときに、砂金の粒の様に本当の価値ある意見が残ると良いのですが。そしてその一粒一粒を集めて、明日への道を、”我々”が見つけることが出来ると良いのですが。
  The greatest of all faults, I should say, is to be conscious of none.
    (失敗の最たるものは、失敗した事を自覚しない事である)
今日の失敗を噛みしめて明日に”我々”が向かい合うとき、明日はどっちなのでしょうか?我々の進むその先が、照らされて在ることを、願って止みません。

<今日の御挨拶>

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4 thoughts on “<今日の御挨拶>

  1. 秋山さん、ニュースを見て愕然としました。残念というか、無念というか・・・
    ぼくのサイトで秋山さんのこの記事を引用させていただきましたので、ご連絡いたします。
    禍を以って福となすには、議論と国民のコンセンサスが必要ですね。

  2. H2Aが民間移行されてこれから受注をばんばんしようとしていた時だけにいたかったですね。海外の顧客もそうだけれど、三菱重工自体がやる気をなくしたらやだなー。

  3. MAOさん、Onionさん、ありがとうございます。宇宙開発にしろ惑星探査にしろ、どんどん発言をされてください。技術的な問題や科学的な問題に関する誤解に関しては、可能な限り指摘しますしその過程で様々な事がクリアーになり、”我々”のフロンティアになるんだと思います。”日本の”宇宙開発だと考えるのであれば、それぞれの人がそれぞれの立場で意義のあるコメントを出し、考えることが重用だと思います。もちろん技術的な問題に関しては現場の意見が重用ですが、宇宙開発とはシステムのあり方でもあります。日本というシステムの中で宇宙開発を考えるとき、我々はどうあるべきであったのか、そしてこれからどうあるべきなのか、議論を深めましょう。
    今後の影響に関しては未知数ですが、アリアンとの相互協定に基づき、気象衛星などの実用衛星は、H2Aではなくアリアンを使って打ち上げられる可能性もあると思います。探査衛星であるSELENE等に関してはどうなるのかよく分からないですが。
    日本の多くの人がそうであるように、日本の宇宙開発や惑星探査に携わる人達も、自分の仕事に誇りを持ち、仕事を行っています。その彼等が爆破指令を送信したときの気持ちを考えると、いたたまれません。もちろん彼らが特殊なのではなく、日本の多くの場所で、同じような苦渋の選択をしている人が居るでしょう。そういう人達と同じ人達なんです、彼等は。まずはそこから、始めませんか?

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