とか挑戦的なタイトルを書くと各方面からクレームが来そうですが(^_^;

基本的には日本には、「宇宙産業」なんてものは有りません。巨大な宇宙産業がある、という思いこみが一番の勘違いだと、僕は常々思っています。「じゃぁH2Aは?」「巨大な通信衛星は?」とか反論が来そうですが。。。。
考えても見てください。日本の宇宙に関する直接投資は、官民あわせて年間3000億円以下です。宇宙戦略本部の資料(20ページあたり)とかを見ると「宇宙は直接投資こそ低い(2,348億円)が、裾野が広い(6兆1,706億円)」とか言ってますが、これは詭弁でしょう。じゃ、直接投資にして数兆円規模を誇る自動車産業の裾野はいったい何兆円に広がるんですか?何百兆円じゃないですか?って世界です。もっと分かり易く言うと、「宇宙関連業界に就職したいー」って学生が居たとして、例えば漁船に積むGPSの機器販売の仕事をしたとして、彼は「宇宙関連業界に就職した」と思うのかどうか、って事です。ぜーーったいそう思わないでしょ?
ではこの2348億円とか3000億円というのがどのぐらいのオーダーの金額かというとですね、これはきっと学生諸氏にはぴんと来ない金額だと思うのですが、、、、これまた例えが悪いと怒られそうですが、私の過去の職場で例えましょうか。最近すっかりトップレベルの知名度を誇るようになってしまった西松建設ですが、私が居た頃で業界での順位は10位前後。大手ゼネコンではなくて、中小ゼネコンと言われておりました。この当時の売上げが大体6000億円。従業員は6000人。スーパーゼネコンと言われる清水・鹿島・大林が売上げ1兆円、従業員1万人。そんな感じです。すなわち、日本の宇宙業界の産業規模って?・・・・・業界10位の西松建設の、さらに半分ですよ、半分。ゼネコン業界がどれだけ大きいかと言うよりも、日本の「宇宙産業」なんてものがどれだけ小さいか、わかると思います。そんなもの、産業と呼べますか?なので、最初の発言になるわけです。”日本には、「宇宙産業」なんてものは有りません。”
じゃ、この勘違いがどんな問題を産んでいるのか?それは就職希望の学生と話せばすぐにわかります。
「将来は宇宙業界で働きたいんですが、どの会社に就職すればよいですか?」
なんたる愚問。無いんですよ、そんな会社は。もちろん、3000億円規模とはいえ、係わっている会社はありますよ。でも、そう言った会社にとって、、、それは業務のごくごく一部なんです。大会社ならね。中小ならもちろんそれ全部ってのはあるでしょうが、でも大体、こういう質問をする学生は宇宙業界なんて志すべきじゃない。僕は真剣そう思います。必要なのは、「んじゃ、おいらが創るかっっ!」と思える人材。じゃないと新しい産業は興せません。UNISECはそんな人材を創るべく、これまで10年も活動してきたわけですが・・・・(ここはちょっと話しが逸れるし僕が騙るべき話しでもないと思うので割愛)

しかしながら、日本は世界で4番目の人工衛星打上国であり、世界で唯一の系譜の惑星間まで飛翔可能なロケットをかって有し、様々な最先端の科学探査も実現し、現在も国内に射場をもち、大型衛星を打ち上げる能力を有しています。日本に有るのは「萌芽」です。宇宙基本法を作った人たちの話しを聞いていると、彼等のいらつきはこんな「萌芽」にこれまで4兆円と20年の歳月を注ぎ込んだのに、何故に「宇宙産業」が確立していないのか?ということにあるようです。何でなんでしょうね?
ここで僕が感じるもう一つの問題点(勘違いじゃないですよ、問題点)は、「地方主義」です。宇宙教育でも宇宙港でもそうなんですが、やっていていつもなんだかなぁと思うのは、「それは是非うちの地方で!」というローカリティーです。本来、日本全体の宇宙産業を育成しようと思えば、それを実施する場所というのは、国内での最適条件を考えて、後から決まってくるべき物ですが、最初から「是非その活動場所はうちで!」とか、囲い込もうとしちゃうわけですね。で、他の場所が持って行かないか疑心暗鬼になる。で、ますます発展しない。ちなみにマスコミなんかもひどくて、「そう言うイベントは是非都内周辺で実施を!」とか、平気で言います。それ、東京の田舎者の地方主義的発言ですから。そしてその東京のどん欲な地方主義が、これまで日本の経済も社会もどんどんダメにしたんでしょうが、と。
多分、国会議員は同じジレンマを感じてるんでしょうね。国の代表として様々な政策を考えているときに、「おらが街の発展は?」とか言われちゃったりして、地元への利益誘導が求められたりする。まぁ程度によりけりだけど、そればっかりになっちゃったら、結局、日本全体としては支離滅裂な政策しか打ち出せなくなる。日本全体の繁栄を考えて活動してたら、地方にもちゃんとその配分がなされていた。本来はそういう活動が必要なわけです。しかし宇宙業界も、この地方ブロック化がどんどん顕在化してきてしまっている。で、せっかく芽吹きかけたアイデアや事業も、そんなブロック経済に阻まれて成長不良を起こして終了。そんな取り合うほどパイは大きくないんですってば。みんなで協力して、ゆっくり育て上げなきゃ行けないんですってば。実りはその後からしか収穫できないんですってば。

もっとも、もう一つじつは考えるべき問題があるんですけどね。上記で僕は「日本全体の繁栄」って書きましたが。。。。ホントは宇宙開発って、日本の繁栄の為にやるもんなのですかね?ホントは、人類全体の進歩のためにやる物じゃないんですかね?国内のブロックから脱して、日本全体で行動を起こしたとしても、それが日本という閉鎖的なブロックを産んでいるとしたら、、、、それはそれで良いんですかね?
このあたりは非常に大きな問題を含んでいるのでおいそれと答えは出せませんが、しかし常に念頭に置いておくべき事でしょう。

ってなわけで、宇宙へ行く明日の活動を考えるにあたっては、こういった勘違いを排して、ローカリティーのドグマに陥らないように注意して、進んでいかなきゃねって話しだと僕は思って今日も生きてます、はい。

まぁ、自分のやろうとしてることが人類全体の進歩に影響をあたえるんだっっ!なんてことを言ってるとすれば、「この勘違い野郎めっ!」って思われそうではありますが、うーん。いや、むしろみんな、そう思って毎日活動しろよ、って思いますけどね。人類という巨大な慣性力をもった社会を動かすのはとても大変ですが、その進路を変えるのは小さな小さな小石がスタートだったりもすると、僕はおもうよ。

・日本の宇宙開発をダメにする勘違い

Post navigation


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です