ひょんなことから数年前に僕が始めたこの企画だが、なんやかんやで毎年続いている。秋田や東京ではすごくシステマティックになってきているが、和歌山ではまだ、僕が突然思いついたように実施している。
昨年度末、能代の打上に集まった秋田チーム・東京チームのロケットは、それはとても綺麗に加工された物だった。そんななか、和歌山チームのロケットは、もうこれがぼろぼろ(笑)機体はひん曲がりかけていて、上部に付いたフィンも位置関係がちょっとアヤシイ。他チームのロケットを見ながら、和歌山の高校生諸君は何を考えたんだろう?
でも実は、僕はそれで良いと思っている。背伸びしようが、取り繕おうが、それが君達が一生懸命作ったロケットなんだから、それで良い、と僕は思っている。もちろん、手を抜いたりいい加減に作ったりしたら、それは恥ずかしいだろう。でも一生懸命作った物なら、それで何も恥じることはない。もっとも、その一生懸命さが、自然に打ち勝つかどうか。これはまた別問題だけれども。
幸いなのか、不幸にもなのか、3月の能代では天候不順で和歌山チームのロケットは打ち上げることが出来なかった。そして先月。和歌山で、再度の打上チャンスが巡ってきた。天候は絶好の打ち上げ日和だったのだが。。。
何度も何度も修正のために手を入れた機体がぼろぼろになってしまい、ランチラグの取り付けネジがばかになってしまう。また開放機構の強度にも不安が残るため、その日は打上中止に。しかしメンバーの大半はもう受験を控えた3年生。さて、どうするよ、ロケットガール&ボーイ諸君?
そして次の打上チャンスが、6月20日に設定された。大学生が打ち上げるこの日に、高校生達も打上る?そう聞いてみたところ、初めて声が上がった。「打上、辞めない?」と。
「僕達のロケットはまだまだ不十分だ。このまま打ち上げたら悔いが残る。これから直そうにも、自分達にはもう時間がない。ここで辞めて、後輩に引き継がない?」それが一人のメンバーの意見だった。しばらくメーリングリスト上で議論がされた後、やっぱり一度、みんなで集まろうよ、という話になった。そして今日、高校生達がみんな集まってきた(ひとり、風邪で来れなかったけど)。やっぱり上げたいというメンバー、このままじゃ嫌だというメンバー。自分達の入試を考えて、どうしても作業が出来ないと考え込むメンバー。「俺等の目的はなんなの?ただ、打ち上げるだけならそりゃ打ち上げられるだろう。でも、開放機構が動作しなかったり、空中で分解したりするかもしれない。それでも良いの?」

こんな風に話し合っている彼等に、僕から言うことはほとんど何もない。そう、第一回目のロケガの時からそうだったんだけど、、、どうしてこの子達はこんなに良くわかってくれるんだろう?そうなんだよ。実は、ロケットガール&ボーイ養成講座の目的は、ロケットを上げる事じゃないんだよね。ロケットという一つの目標に対して、みんなが心を一つにして、それをどうするのか、考える。議論する。そして自分達で行き先を決める。それが僕が、この講座を開こうとした目的のすべてと言っても良い。
眩しいなぁ、と思った。こんな事を書くとすっかり年寄りだけど、若さがホントに、眩しかった。キラキラしてやがる。うん、そりゃ人生を生きるテクニックは全然だし、いつでもひねり潰せるような感じだけどね。でも、、結局、僕はこいつらの世代にいつか追い越されていくんだなぁと、そんな風に思った。僕が一生懸命やったことを、いつか越えていってくれる人材なんだ、と思った。

歴代のロケットガールが作った機体の写真を見せながら、歴代のメンバーを紹介しながら、こいつはどんな奴だったんだよとか、こんな事があってね、とか、どんな風にロケットが打ち上がったのか、失敗したのか。そんな話しをした。
ロケットガール&ボーイ養成講座の目的は、ロケットを打ち上げる事じゃない。成功しても、失敗しても良い。でも、どちらにしろ、どれだけみんなが気持を一つにして、どれだけの物を賭けれたのか。どれだけの想いと努力をつぎ込めたのか。その向こうにある成功と失敗。それだけに意味がある。そこからだけ、学ぶ事が出来る。そんな話しをした。

結局、和歌山チームのロケットは、6月20日には打ち上げないことになった。来年3月、入試がすべて終わってから、打ち上げることになった。しかし機体の改修にはそれなりの時間がかかる。それは、高校2年生のチームメンバーと、新しい1年生のメンバーが協力して仕上げることになった。新チームは秋口に、まず自分達のロケットを打ち上げるかもしれない。しかし3月末には、3年生達の思いの詰まったロケットを、悔いなく打ち上げられるように仕上げて打ち上げる。それが彼等の出した結論だった。

頑張れ。頑張れ。頑張れ。
その昔、「頑張れ」という言葉はなるべく使わないようにしようと思っていた時期もあった。でも、ここ10年ぐらい、学生達と接してきて思う。「死ぬほど頑張れ」、と。不格好でも良い。無様でも良い。一生懸命頑張れ。その先に、成功があっても、失敗があっても良い。頑張っているその先に、必ず君達の未来がある。僕が君達につなげたい未来がある。心からそう思う。頑張れ。
僕も頑張る。今は、君達と僕が居る場所は違うけれど、君達が社会人になって、宇宙に行きたいと心から思うようになった時に、一生懸命頑張ってたんだなぁと、思って貰えるようにね。僕も頑張る。

なお、誤解の無いように付け加えておくと、、6/20の大学生のロケットは、予定通り打上に向けて粛々と作業が進んでいる。きっちり上げろよ。

・ロケットガール&ボーイ養成講座

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2 thoughts on “・ロケットガール&ボーイ養成講座

  1. 久しぶりー。歌子さん下宿でいっしょだっだものです。ひょんなところからこのサイトにもぐりこんでしまいました。へー秋山は今でもやっぱり宇宙目指してしたんやと感心しました。忙しそうなブログですが、夢を目指して頑張ってください。というか秋山は16歳のときからちっとも変わってないな。

  2. 大植さんっっ!!!会いたかったんですよー。
    電話番号がわからなくて苦労しておりました。
    メールください。和歌山大に居るので、多分しょっちゅう近くを通ってます。僕のメールアドレスとかはフルネーム検索したらぼこぼこヒットすると思います、はい。
    昨年は歌子さんに会いましたよ。あいかわらずお元気でした。

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